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445471315anima / 魂を宿すデザイン

「身体的制限を開放し、人間の創造性が無限に発揮される未来へ」スタートアップMELTINは、サイボーグ技術を用いて、人間の「創造性」が無限に発揮される未来を目指している。身体が動きを可能にしている一方、創造性に対する制限にもなっていると考えているのだ。そんなMELTINが開発を進めるサイボーグ"MELTANT"のコンセプトモデル、MELTANT-αのデザインを担当した。遠隔で、あたかも自身の腕や指のように体を動かすことができるMELTANT-αは、ハンド部分に大きな優位性がある。
人体構造を模倣することで実現した「ワイヤー駆動」、人体を流れる電気信号を解析・再現する「生体信号処理」。この二つの技術が、ヒトの手が持つ繊細さ、器用さ、強度といった特徴を兼ね備えたハンドを生み出す。
デザインとして、「anima / 魂を宿すデザイン」というコンセプトを設定した。単なるツールでもロボットでもなく、MELTANT-αは、人間の一部として振舞うことを期待されるサイボーグである。ラテン語であり、生命や魂を意味するanimaは、アニメーションの語源でもある。つまり、動きの質にこそ、魂を感じられるのではないか?という仮説を立て、animaが感じられるデザインを、技術と融合しながら実現することを目指した。ボディやハンドを覆うカウルを最小限にとどめ、本来内部構造であるワイヤーを筋肉や腱に見立てて表出させた。硬質なカウルに比べ、ワイヤーが柔軟でしなやかな動きを表現する。また、最小限にとどめたカウルが、より一層、動きにコントラストをもたらす。能面のようなクリーンなフェイスは、さまざまな人格が動きによって宿ることを可能にする、イメージの余白をもたらしている。MELTANT-αは、「自分の身体を選択していく未来」に繋がる壮大なビジョンの最初のモデルだ。コンセプト「anima / 魂を宿すデザイン」は、今後さらなるアップデートバージョンが開発されていく中でも通底する。近い将来、MELTANTが私たちの身体性の再定義し、より創造性にあふれた社会が訪れることを期待したい。