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展覧会のお知らせ 「TAKT PROJECT × 伊達冠石」2024.10.16 News

 
伊達冠石の産地であり、石塔事業やアートおよびデザイン事業を手掛けている大蔵山スタジオとのコラボレーションワークを、DESIGNART TOKYOの期間中に展示致します。場所はAXISの地下一階です。
今年の初夏に発表した内容に加え、より大蔵山の魅力や作品に込められた思いをインスタレーションとして表現いたします。
登録不要・入場無料です。ぜひご来場いただけますと幸いです。
 
 
TAKT PROJECT × 伊達冠石
frottage -記憶との再会-

 
期間| 2024.10.18(fri)〜2024.10.27(sun)
時間| 12:00〜19:00
会場| AXIS Building B1F-B111
住所| 東京都港区六本木5-17-1 AXISビル B1F-B111
Web| https://designart.jp/designarttokyo2024/exhibitions/8055/
 
 
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frottage -記憶との再会-
 
「山にいのちを返す」という大蔵山スタジオの理念には、「山にいのちがある」というメッセージがあるように感じる。石が砕け、土となり、草花が自生し、そこに集まる生き物たち…。「いのち」は単独では存在せず、互いに影響し合ってつながっている事に、山に立つことで気がつかされる。「山にいのちを返す」とは、そのつながりへの畏敬の念を呼び覚ますことから始まるのかもしれない。
そのような思いから、石への造形を起点にはせず、時間を超えて…、場所を超えて…、状態を超えて…、本来大蔵山で繋がっていた「いのち」同士を、もう一度出会わせる事を創作の中心とする事にした。
大蔵山の地表は、鉄分が多い伊達冠石が風化することで生成された「大蔵寂土」という赤土に覆われている。石が土へと変容したその姿は、山のいのちの循環が凝縮されたものであり、この土地の記憶そのもののように感じられた。
寂土の地表に無垢の鉄板を直接置き、しばらく放置する。寂土から錆や鉄分が付着した鉄板は、時間をかけてその記憶のテクスチャーを纏いながら錆びていく。それはさながら、山の記憶のそのものをフロッタージュするかのような行為である。
そんな山の記憶を纏った鉄板のフロッタージュを、寂土の起源である石と「再会」させる。そこから生まれたマテリアル同士が響き合う風景は、まさに大蔵山における記憶と記憶の再会であり、いのちのつながりを私たちに呼び覚まさせるオブジェクトである。
 
吉泉 聡 / TAKT PROJECT