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TAKEO PAPER SHOW 2023「PACKAGING―機能と笑い」に「機能」のクリーターとして参加した。
紙の専門商社 竹尾が1965年より主催している紙とデザインの展示会である竹尾ペーパーショウは、紙を様々な角度と視点から掘り下げ、時代を牽引する多数のデザイナーとともに、その意味と価値を追求し続けている。5年ぶり49回目の開催となる今回のテーマは「PACKAGING―機能と笑い」。企画・構成は、原 研哉氏と株式会社日本デザインセンター原デザイン研究所が担当された。

<出品作品>

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紙は反る。

均質に見える紙にも方向がある。つまり異方性のある素材だ。フラットな素材として紙を使おうとすると厄介な性質だが、その反りが生むわずかな空間は、何かを「包む」可能性と考えられた。実験の中で、松ぼっくりの構造が着想となった。松ぼっくりの鱗片は、湿度に応じて反りながら開閉する。この反りは、乾燥で縮む外側の素材が、縮まない内側の素材を引っ張ることで生まれている。雨の日は種を守り、晴れた日に種を遠くに飛ばす。松ぼっくりは天然のパッケージなのだ。さまざまな紙で検証した結果、湿度への反応がよかったPASCOを基材に選び、片面にUVシルクスクリーン印刷を行う。PASCOは湿らせた後に乾燥させると大きく縮むが、収縮しないUV印刷面がその収縮を大きな反りへと変える。フラットな紙が、湿度を与えると大きく反り上がり──、空間が生まれていく──。それは、性質をあらかじめプログラムされた紙。このときデザインは、「包む」ことを紙にプログラミングする行為なのである。